イーサリアム共同創設者のヴィタリック・ブテリン氏は14日、自身のXにて2014年に提唱した分散型アプリケーション(DApp)のビジョンが実現段階に入ったと表明した。金融、ソーシャルメディア、ライドシェアから組織統治まで対応する「オルタナティブウェブ」構築に必要な技術スタックが完成し、「分散型ルネサンスが来る」と宣言した。
ブテリン氏が2014年に提示したビジョンは、イーサリアム(ブロックチェーン層)、ウィスパー(データ層)、スウォーム(ストレージ層)の3つの技術レイヤーで構成されていた。同氏は「過去5年間、この中核ビジョンは様々なメタやナラティブに覆い隠されることもあったが、決して消えることはなかった」と振り返る。
現在、これらの技術は大きく進化している。イーサリアムはプルーフ・オブ・ステークに移行済みで、ZK-EVMとPeerDASによって「シャーディング」ビジョンが事実上実現されつつある。レイヤー2ソリューションがさらなる高速化を提供し、低コストで拡張性のあるネットワークが稼働中だ。ウィスパーは「Waku」として進化し、分散型メッセージングアプリ「Railway」や「Status」などで採用されている。IPFSは分散型ファイル検索として高性能に機能しているが、ストレージ問題には改善の余地があるという。
ブテリン氏は、分散型Google Docs代替の「ファイルバース」を理想的な実装例として称賛した。ファイルバースは名前やアカウント管理にイーサリアムとグノーシスチェーンを利用し、ドキュメント保存には分散型メッセージングとファイルストレージを活用する。
重要なのは、たとえファイルバース社が消滅しても、ユーザーがオープンソースのUIを使ってドキュメントを取り戻し、編集を続けられる「ウォークアウェイテスト」に合格している点だ。同氏はこれを「一度購入すれば永久に自分のものになるハンマーのようなツール」と表現した。
対照的に、同氏はサブスク課金や過剰監視を強いる中央集権型サービスを「Corposlop(企業による粗悪なサービス)」と呼び痛烈に批判した。サブスク課金型の食洗機、過剰な監視機能を持つエアフライヤー、制裁によって国際刑事裁判所の判事が日常生活から締め出された事例など、3つの実例を挙げ、ユーザーが真の所有権を持たず企業判断で機能停止するリスクを指摘している。
ブテリン氏は「2014年時点では分散型アプリは『おもちゃ』だったが、2026年の現在、ファイルバースは実用に耐えるレベルに達しており、私自身が日常的に使っている」と述べ、「Web3の全ての前提条件が揃い、今こそ構築(buidl)の時だ」と結論づけた。
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