●ステーブルコインは投機局面を離れ、実需ベースの利用が継続している。
●市場資金はアルト全体ではなく、BTCとステーブルコインへ集中している。
●日本ではJPYCを軸に、円建てステーブルコインへの期待が高まりつつある。

現在の暗号資産市場は、明確なトレンドを欠くレンジ局面にあり、短期的には需給の弱さが意識されやすい環境にある。その一方で、ステーブルコインに関する構造データを見ると、価格変動とは切り離された形で、利用と流通が着実に拡大していることが確認できる。

添付のオンチェーンデータが示す通り、ERC20ステーブルコインのアクティブアドレス数は過去最高水準に接近しており、総供給量も中長期的には明確な増加トレンドを維持している。相場調整局面においても、アクティブアドレスや供給量が大きく減少していない点は、ステーブルコインが単なるトレーディング用途を超え、実需ベースで使われ始めていることを示唆する。

地域別に見ると、高インフレ国や金融インフラが未整備な新興国を中心に、国際送金やB2B決済での利用が拡大している。アジアでは南アジア・東南アジアを中心に取引量が増加し、ラテンアメリカやアフリカでは、法定通貨リスクや送金コストの高さを背景に、ステーブルコインが実用的な決済手段として定着しつつある。一方、北米や欧州では、規制の明確化を背景に、決済事業者や金融機関が商業用途での導入を進めている。

地域別に見ると、高インフレ国や金融インフラが未整備な新興国を中心に、国際送金やB2B決済での利用が拡大している。アジアでは南アジア・東南アジアを中心に取引量が増加し、ラテンアメリカやアフリカでは、法定通貨リスクや送金コストの高さを背景に、ステーブルコインが実用的な決済手段として定着しつつある。一方、北米や欧州では、規制の明確化を背景に、決済事業者や金融機関が商業用途での導入を進めている。

日本国内に目を向けると、日本円連動型ステーブルコインであるJPYCに対する期待は徐々に高まりつつある。ただし、実際の流通量や利用規模という観点では、世界の中で日本の存在感は依然として限定的だ。現時点では小売決済への浸透はまだ浅く、B2B決済やWeb3関連サービス、将来的な国際送金インフラとしての可能性が議論されている段階にある。

日本はステーブルコインに関する法制度が比較的明確である一方、100万円といった発行・取得上限などの制度的制約が、流動性形成や実需拡大の足かせになっている側面は否定できない。結果として、円建てステーブルコインの実装スピードは海外と比べて遅れやすく、国際的な決済・送金インフラの競争において後れを取るリスクを内包している。

反対に、この見方が崩れる条件としては、主要チェーン上でのステーブルコインのアクティブアドレス数が明確に減少し、供給量も収縮トレンドに転じる場合が挙げられる。また、規制面で実利用を阻害する動きが強まれば、成長ペースは鈍化する可能性がある。

現時点では、ステーブルコインは投機色を弱めつつ、実需インフラとして底堅く推移する構造がベースシナリオである。

ただし、日本においてはJPYCを含む円建てステーブルコインが実装フェーズへ進めるかどうかが、この流れに乗れるかを左右する重要な分岐点になる。制度と運用の両面で停滞が続く場合、この見方は見直す必要がある。

オンチェーン指標の見方

アクティブアドレス数:実際にステーブルコインを送受信しているウォレット数を示す指標。価格に関係なく増加している場合、投機ではなく実需ベースの利用が拡大していることを示唆する。

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総供給量:発行・流通しているステーブルコインの総量。中長期で増加が続く場合、市場に滞留する資金(決済・待機資金)が拡大している状態を示す。

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