電話番号つきの格安SIMは音声通話SIMと呼ばれ、その最安プランは仕事用などでスマホを2台持ちする人や1台のスマホで電話番号を使い分けたい人におすすめ。しかし、IIJmioやBIGLOBEモバイルなどのMVNOをはじめ、音声通話SIMのプランはさまざまで、「通話のみのスマホや携帯におすすめの格安SIMはどれ?」「最安の音声通話SIMは?」と気になることはたくさんありますよね。
今回は、人気の音声通話SIM25サービスを集め、4つのポイントで比較して徹底検証。おすすめの音声通話SIMをランキング形式でご紹介します。マイベストが定義するベストな音声通話SIMは「必要最低限の負担額で電話番号を持てて、月額料金・通話料を含めて出費を抑えられるもの」。ここでは、オンライン専用プランであるahamo・povo・LINEMOを含めたうえで、徹底検証してわかった音声通話SIMの本当の選び方を解説するので、ぜひ契約の際の参考にしてください。
マイベストでは、ベストな音声通話SIMを「必要最低限の負担額で電話番号を持てて、月額料金・通話料を含めて出費を抑えられるもの」と定義。そんなベストな音声通話SIMを探すために、人気の音声通話SIM25サービスを集め、以下の4つのポイントで徹底検証しました。検証①:最安月額料金の安さ検証②:初期費用の安さ検証③:基本通話料の安さ検証④:月1GB利用時の安さ料金はすべてオプションなしで統一し、公平に評価しました。
おすすめスコア:4.63(2025/12/04時点)
基本料金は0円!サブ回線の維持費を抑えたい人におすすめ
auのオンライン専用プランである「povo」は、電話番号を2つ持ちたい人にまず検討してほしい音声通話SIMです。基本料金が0円なので、維持費がほぼかかりません。基本通話料は安くはありませんが、そもそもほとんど通話をしない人には合っています。料金体系は、必要なデータ容量を自分で購入する「トッピング」型のシステム。基本料金は0円で、今回検証した音声通話SIMのなかでは最安でした。ただし、180日間トッピングなしだと解約になる点は注意。少なくとも180日に1回はトッピングの購入が必要です。しかし、初期費用は無料であるため、2つ目の電話番号を持つにはもってこいですよ。基本通話料は30秒あたり22円。比較した音声通話SIMの多くが30秒11円であるため、通話時間が長い人には向いていません。とはいえ、データと同じく通話かけ放題も使い方に合わせてトッピングでき、5分かけ放題は月額550円で利用可能。通話の待ち受け用の携帯がほしい人や、ネットは使わないけれど頻繁に通話する人で1回5分以内におさまる場合は、ほかの音声通話SIMより料金を抑えられるでしょう。基本料金が0円で維持費がほとんどかからないため、電話番号を2つ持ちたい人にはぴったり。SIMカード不要のeSIMに対応しており、開通もスムーズです。頻繁には通話をしないけれど、仕事などのために通話専用のスマホを持っておきたい人には最有力候補の音声通話SIMです。
おすすめスコア:4.59(2025/12/04時点)
通話のみのスマホの維持費を抑えたい人に!使わない月は月額280円
H.I.S.Mobileの「HISモバイル」は、使った分だけ支払うシンプルな従量制プランの音声通話SIMがよい人におすすめです。ネットを使う月・使わない月の差が激しくても、支払いに無駄がありません。「自由自在2.0プラン」は従量制で、最安月額料金は280円とかなり安いのが魅力です。ただし、100MBを超えると550円になるため、通信障害などに備えていつでもネットを使える状態にしたい人は1GBがさらに安いものを選ぶのがおすすめ。なお、初期費用はSIMカード・eSIMともに3,300円かかります。基本通話料は30秒9円と今回検証したなかでは安め。専用アプリは不要です。電話をする機会が多い場合でも、通話料は負担になりにくいといえるでしょう。月額料金も通話料も抑えてお得に利用できる音声通話SIM。eSIM対応なので、1台で2つの電話番号を使い分けたい人におすすめですよ。
おすすめスコア:4.56(2025/12/04時点)
ネットも通話もする人に!基本料金・通話料が安い
日本通信の「日本通信SIM」は、通信費を抑えてネット・通話を利用したい人におすすめの音声通話SIMです。最安のプランの月額料金は290円と安く、通話料金も手頃な価格設定。メイン回線の通信障害に備えてサブ回線を持つといった使い方にも向いています。「合理的シンプル290プラン」が最安で、データ通信1GBがついて月額290円。使用量が1GBを超えたあとは1GBあたり220円で使えますが、利用上限を設定できるため、データの使いすぎで支払いが増える心配はありません。今回検証した音声通話SIMのなかではかなり安めでした。初期費用は3,300円かかりますが、月額料金が安いので2つ目の電話番号や通信障害に備えたサブ回線にはもってこいですよ。基本通話料は30秒11円と今回検証した音声通話SIMのなかでは相場並みですが、通話時に他社のように専用アプリを使う必要はありません。仕事先へ電話をかけるなど、頻繁に通話する想定であればかけ放題オプションの申し込みも検討するとよいでしょう。通話のみではなくネットも利用するなら有力候補としたい音声通話SIM。基本料金0円のpovoよりは高いものの、eSIMにも対応しているため、メイン回線がつながらないときにサブ回線としても使いたい人におすすめです。
おすすめスコア:4.52(2025/12/05時点)
ネットはほとんど使わず、時々通話をする人におすすめ
オプテージの「mineo」は、ネットはほとんど使わず、たまに通話する際の電話代を安く抑えたい人におすすめの音声通話SIM。「マイそくスーパーライト」なら月額250円で通話ができ、専用アプリからの発信なら通話料も抑えられますよ。4種類の通信速度から選べるプラン「マイそく」の最安料金は月額250円で、通常の通信速度で使える3GBプランは1,298円とやや高め。最安のプランは最大32kbpsと通信速度が遅いため、データ通信メインで使いたい人には不向きですが、月々の通信費を大きく抑えられます。初期費用は事務手数料3,300円+SIMカードまたはeSIMのプロファイル発行料440円で、合計3,740円かかります。基本通話料が安いのも魅力です。通常は30秒あたり22円ですが、専用アプリ「mineoでんわ」からの発信で30秒10円で利用できます。会話が弾んでつい長電話になったとしても、通話料は負担となりにくいでしょう。実店舗で申し込みができるのもうれしいポイント。販売店だけでなく専門ショップもあり、初期設定のサポートが受けられます。SIMカードの配送を待たずとも開通できるeSIMにも対応しており、インターネット申し込みに慣れている人であれば切り替えがスムーズです。ネットの利用は想定せず、通話専用スマホ用の格安SIMを探している人や2つ目の電話番号がほしい人はぜひ検討してみてほしい音声通話SIMといえるでしょう。
おすすめスコア:4.52(2025/12/04時点)
通話もネットも多少使う人に。最安月額料金は495円と安め
BB.exciteの「BB.exciteモバイル」は、スマホ2台持ちかつネットも使うかもしれないという人におすすめの音声通話SIM。ドコモ回線とau回線から選択可能です。最安プランは低速通信のみですが、小容量プランの月額料金が安く通信費を抑えられます。従量制の「Fitプラン」の最安月額料金は495円。最安料金だと低速通信のみの利用に制限されるものの、通常どおりの通信速度で3GBまで通信しても月額690円です。比較した音声通話SIMの最安プランの平均は約1,000円だったので、ほかと比較すると支払いの負担は少なく、事務手数料も無料です。基本通話料は、専用アプリ「BB.exciteでんわ」からの発信で30秒11円です。povoやLINEMOなどの大手キャリアの回線を利用している音声通話SIMは30秒22円という点をふまえると、ある程度通話をする人にはメリットでしょう。一方で、eSIMには対応していないため、すでにSIMカードが入っているスマホだとデュアルSIMで使えない場合があります。最安のプランの場合は速度が遅いためネット利用には不向きですが、従量制でいざというときはデータ通信ができるため、2台目のスマホでも電話番号つきの格安SIMを使いたい人は検討してみてください。
おすすめスコア:4.2(2025/12/04時点)
必要な分だけ通信したい人に。自分にあったプランを細かく選べる
LogicLinksの「LinksMate」は、必要なデータ量を無駄なく使いたい人におすすめの音声通話SIMです。プランがデータ使用量に合わせて細かく分かれており、自分に合ったものを選べます。最安は月額517円の100MBプランで、1GBプランは737円。今回比較した音声通話SIMのなかでは安めだったため、2つ目の電話番号の維持費を抑えたい人には候補になります。初期費用はeSIMの場合3,850円と高額ですが、サブ回線としても使いやすく月額料金も安いので長期的に使うのであれば気にならないでしょう。ちなみに、SIMカードの場合はSIM発行料が0円であるため、初期費用は3,300円です。基本通話料は、専用アプリ「MatePhone」からの発信で30秒11円。1か月に数回短い通話をする程度であれば、料金を抑えられるでしょう。アプリを使わないと30秒22円かかるので、通話の際はアプリを使用するようにしてくださいね。eSIMに対応しているため、SIMカードの配送を待たずすぐに開通できるのも魅力です。特定のアプリやサービスの使用中はデータ消費を大幅に抑えられる月額550円の「カウントフリーオプション」も用意されています。通話のみの利用ではなく、スマホでゲームも楽しみたい人には候補のひとつになる音声通話SIMといえるでしょう。
おすすめスコア:4.2(2025/12/04時点)
ネットでの申し込みが不安な人に。実店舗で申し込み可能
イオンリテールの「イオンモバイル」は、ネットでの申し込みが不安で店舗で契約したい人におすすめの音声通話SIM。ドコモ回線とau回線から選べます。イオンの店舗で申し込みができるため、料金プランや初期設定など、買い物ついでに相談可能です。月額料金はデータ量によって細かく分かれており、803円の0.5GBプランが最安。データ通信は少ししかできませんが、今回比較した音声通話SIMのなかでは安めでした。1GBプランも858円と安めで、メイン回線の通信障害に備えてネットをある程度使えるようにしておきたい人にもおすすめ。初期費用も事務手数料3,300円しかかからず、無料ではないとはいえ費用負担は少ないですよ。通話料金は30秒11円。30秒11円の音声通話SIMが多かったものの、専用アプリを使わず自動適用になるのは魅力的です。一方で、eSIMには対応しておらず、オンライン契約だとSIMカードの配送を待たなければならないため、すぐに使いたい人には不向きです。データ容量が少なくネット利用メインの人には向いていないものの、通信障害に備えるサブ回線として利用したい人や、店舗での契約・サポートを受けたい人には選択肢になる音声通話SIMといえるでしょう。
おすすめスコア:4.16(2025/12/04時点)
国内通話がかけ放題!実店舗で契約でき、初期費用もかからない
楽天グループの「楽天モバイル」は、通話をよく利用する人におすすめの音声通話SIMです。専用アプリを使えば、国内通話料はかけ放題。通話をほとんどしない人には割高ですが、仕事用に使い分けたい人や通話することが多い人には選択肢になります。最大の魅力は通話料の安さ。専用アプリ「Rakuten Link」の利用で国内通話が無料になります。無料でかけ放題なのは、今回検証した音声通話SIMのなかでは楽天モバイルだけでした。基本的には30秒あたり11〜22円の通話料金がかかるため、長時間通話する可能性があるなら有力候補となるでしょう。料金プランは従量制で、最安なのは3GBまでの場合の1,078円。通話をほとんどしない人だと割高に感じられるでしょう。初期費用は無料なので、通話がメインで、メイン回線のデータ容量を使い切ったときなどにデータ通信もしたい人にはおすすめできます。申し込みはネットでも実店舗でも可能。eSIMに対応しているため、オンライン上で開通まで完結できます。通話する頻度が高い人には魅力的な音声通話SIMですが、電話番号が取得できれば十分という人など通話もネット利用も少ない人には割高。現在、楽天ポイントがもらえる「三木谷キャンペーン」を実施しているため、仕事などで頻繁に通話をする人は検討してみてください。
おすすめスコア:4.14(2025/12/04時点)
ネットも通話も使う人に。月額792円で3GBも使える
「NUROモバイル」は、通話とインターネット両方使いたい人におすすめの音声通話SIM。ドコモ回線・au回線・ソフトバンク回線の3種類から選択可能で、他社の最安プランと比較すると3GB使えるプランにしては安めの料金でした。最安月額料金は、3GBの「VSプラン」で792円。比較した音声通話SIMの最安プランのなかでは安めでした。電話番号を持ちたいだけだと少し割高に感じる場合がありますが、ネットもある程度使うならお得といえます。なお、初期費用は3,740円とやや高めでした。通話料金は、専用アプリを使わなくても30秒11円。最安のプランではないものの、時々通話をする人向けに月額930円で1GB+5分かけ放題のプランも用意されています。eSIMに対応しているため、デュアルSIMで利用したい人にもよいでしょう。2つ目の電話番号がほしいだけの人にはあまり向いていませんが、電話もネットも使う想定の人にはおすすめの音声通話SIMです。
おすすめスコア:4.1(2025/12/04時点)
1GB以上使えるなかでは安め。通話メインで通信費を抑えたい人に
「IIJmio」は、よく通話する人やメイン回線のデータ容量不足を補いたい人におすすめです。ドコモ回線とau回線から選択可能で、比較的安くデータ通信ができます。最安月額料金は2GBプランの850円。比較した音声通話SIMのなかではやや安めといえる料金でした。初期費用はドコモ回線の場合3,733円かかりますが、通話のみの使い方ではなくメイン回線の通信障害やデータ不足に備える使い方がしたい人にはお得に感じられるでしょう。eSIMに対応していて、SIMカードの到着を待たずにすぐ使い始められるのも魅力です。基本通話料は30秒あたり11円。他社も30秒11円のところが多いものの、専用アプリから発信しなくてもこの料金で利用できる点はメリットでしょう。通話定額オプションも手頃な価格設定で、仕事でたくさん通話する人も利用しやすいといえます。低料金で通話やデータ通信を利用したい人におすすめの音声通話SIM。全国のビックカメラやソフマップなどに受付カウンターがあるので、実店舗で契約したい人も検討してみてくださいね。
ガイド:高山健次(元携帯電話販売員/マイベスト 通信会社・通信キャリア・サービス担当)

